one more chance――美少年は女総長――

「鬼龍は青龍と龍を1つの族として扱うと

名前は違くても交戦はしないし

どっちの族も行き来出来るように」

秀平が真剣な顔で話した。

だったら何で兄貴はそれを今まで言わなかったんだ。

「話して欲しかった」

俺は小さめの声で言った。

「お前」

え?

「龍にいた頃楽しそうな顔してた」

そりゃそうだ。

龍には鬼… 兄貴がいて

秀平がいて

大好きな皆がいたんだ

幸せじゃないはずがない。

「だから俺達は伶に青龍の事を話せなかった」

だからか

「お前がいる限り青龍とは殴(や)り合うな」か…

「丁度龍を出たお前にいい機会だったから
彪牙の所まで連れて行って貰った」

知り合いならお前の口から聞いてから
青龍に行きたかったよ。

秀平は「早く行くぞ」と言った。

「で、お前もバイクで行くのか」

「バレちまったし」

それに

どうせ秀平は乗せてくれないだろうし

ベー!

心の中で言った。本当は実際にやりたいけど
今の自分は「俺」だから…

「まぁ程々にお前のバイク目立つから」

「まぁな」

そう俺のバイクは
色が青で俺の体格にはデカイんじゃないか
というくらいの大型。

乗ると気持ち良いんだよな

でも学校までバイクだと
15分の所なんだよなぁ… 残念。

俺と秀平はそれぞれのバイクに乗り
学校に向かった。

まさかあいつが
青霧にいるとは知らずに……


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