one more chance――美少年は女総長――
柚原は何やら携帯を取り出す。
「ごめんね、私が電話で呼ばない限り幹部のみんな中に入らないの」
そう言うと電話をかけはじめた。
「何を…」
「みんな早くきて助けて」そう言うと電話をきる。
勢いよく倉庫の扉が開かれた。
幹部全員と隼人が「一体なにが……」と一瞬動きが止まった。
だが、隼人以外の幹部は柚原に近づいた。
「みんな~…隼人~」
そう言うと柚原は涙を流し隼人にしがみつく。
嘘泣きだ。
「総長が…総長が私を殴ったの」
は?
何言ってんだ?
自分で殴ったんだろ?
しかし、幹部全員は俺を見て睨んでいた。
そして…
「総長…その格好…」
一人の幹部の言葉に俺の姿を見て驚いていた。
「総長…どういう事だ?」
「そうか…そうだったんだ!」
「どういう事だよ」