one more chance――美少年は女総長――
もうひとつの秘密
あの日を境に青龍のみんなとの仲が変わった。
彪牙、類、冬悟、愁、風斗は俺の事を伶と呼ぶようになった。
洸は未だにちゃん付けで呼ぶ。
俺もみんなを名字ではなく名前で呼ぶようになった。
それと双子……じゃない
優太と優人は兄貴と呼ぶが、優太はたまに…
ほら、また来た。
「姉貴ー!」
「誰が姉貴じゃー!」
ガシッ
俺は優太の首に片腕を回し締める。
「兄貴ー、それ以上やったら優太死ぬ」
俺が腕を離すと優太は「ゲホゲホ」と咳をしていた。
「まったく、優太もわざとやってんのか?なあ伶」
風斗が呆れ顔で言った。
「俺も知りてぇ」
咳が留まったのか優太は口を開く。
「兄貴ノート見せて」
優太はこの通りと言わんばかりに手を合わせて言った。
「また授業中寝てたな?優人に見せて貰えよ」
「だって双子なのに見せてくれねぇんだもん」
まあ、確かに優人は「寝てるのが悪い」って言うだろうな。