one more chance――美少年は女総長――

俺が高校に上がってもバスケを辞めなかったのは、あいつと約束したからだ。

そしてあの日、伶が転校してきた日。

俺らは集会の後、学校に行った。

類と風斗が先に教室へ入る。

そして俺が入った時、彼女はそこに座っていた。

俺は一瞬青髪のあいつがそこに居るように見えた。

俺は彼女の前まで行き、顔を確かめるかのように近づいた。

似ているあいつに…

似ているっていうか、双子かっていうくらい瓜二つだった。

「か…可愛い、君誰?」

そう言うと別の場所を見ていた彼女が俺を見て驚いた。

そりゃ、キスしそうな程近くにいると驚くわな。

女子達がなにやら騒いでいる中

「それはそうと名前は?」

俺はドキドキを押し殺しながら言った。

「篠原 伶」

「伶ちゃんか可愛いね、俺 坂咲 愁」

目の前にいる彼女があいつだったらいいのに。

あいつに似ている彼女に触れたい。

「伶ちゃん俺と付き合わない?」

心臓がドキドキしすぎて、彼女の髪を強く引っ張ってしまった。

「―――っ!」

「―――っ!」

「―――っ!」

その場にいた全員の表情が驚きに変わる中、俺は別の意味で驚いていた。

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