LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


ぼくは必死で目を開いた。


うっすらとした黒い膜が卵の殻のようにぼくを包んでいる。


半透明な向こう側で、動けない理仁くんも、白獣珠を握りしめた煥くんも、立ち尽くした鈴蘭さんも、それぞれ膜の中に閉じ込められている。



祥之助が命じた。



「その女を人質にしろ!」



やめろ。彼女に触れるな。



黒服の男たちがリアさんに殺到する。


リアさんが抵抗して、最初の二人を蹴り飛ばす。


数にはかなわない。


たちまち腕をとらえられて、自由を奪われる。



【リアさん、リアさん……!】



煥くんが自分の膜を破って飛び出した。


リアさんをとらえる黒服の群れに突っ込む。


体の動きがぎこちない。


きっと、ぼくの声のせいだ。強烈な精神攻撃を受けたせい。



警棒が煥くんの肩を打った。


ガクリと体勢を崩した煥くんに、スタンガンが突き付けられる。



「うぁ……ッ!」



煥くんが気を失った。鈴蘭さんが悲鳴を上げる。


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