LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


理仁くんの目はだんだんと伏せられた。


彼の頭にあるのはきっと、リアさんのことだ。



さらわれてしまった。


預かり手ではないのに、宝珠を巡る争いに巻き込んでしまった。


今、リアさんは、預かり手のぼくたちよりも危険な状態にさらされている。



もっと早くぼくたちが集結していれば。


祥之助が黄帝珠を見付け出すより先に、協力体制を築いていれば。


そもそも、理仁くんの父親に宝珠への執着を断たせることができていれば。



後悔から立つ仮説が、むなしく、ぼくの胸を支配していく。


ダメだ。考えちゃダメだ。


思念の声が外に洩れたら、みんなの士気を下げてしまう。


< 210 / 415 >

この作品をシェア

pagetop