押しかけ社員になります!

父親に連絡をしてみた。土曜がいいらしい。

「あの、部長、父が土曜が都合が良いと」

「解った、有難う。時間は何時でもいいのかな?」

「あ、はい。いつでもいいとの事です」

「うん、解った」

…父は、部長が会いに来るなら、本人で確認を取るはずだろうと、きっと思っていたはず。

「あの、部長…部長の気持ちって」

「うん?叱られに行くんだ」

え?

「和夏…。俺達は今の延長みたいな暮らしを望んでいるよな?」

「え…あ、はい」

それは、我が儘と言えば、我が儘な希望だ。

「それはお父さんにも話してある。だけど、何れは…何年先であろうと結婚するだろうと思っているし、それを望んでいる。親だから…当たり前だ。
俺も、直ぐにでなくても、いつか結婚出来ればと思っていた」

部長、…弟さんが二十歳になったらって言っていた。

「でも、…無理だな。俺達の中で決めたものをお父さんにはっきりと伝えておかなければいけない。
結婚はしない…形に拘らないという事。だけど一生共に居る。
そんな不確かなもの、許せるかって、駄目を押される。
何となく先に結婚があるからこそ、反対だからと言いながらもどこか許されていたんだ。
だから、叱られに行く。
その上で、ずっと一緒に居る事を許して貰う為に」

私のせいだ。私が本当の意味で部長に飛び込んでいないから。
いい事だけを得て、青柳に入って行こうとしていないから。
中途半端だから。…楽な道を選んでいるから。

「部長…」

「解ってくれるよ。ただ、理解する事と許す事は違う、という事だ」

私…。
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