振り向いたらあなたが~マクレーン家の結婚~
マリアンヌはこちらに来てからというもの、姉妹を連れてよく伯父の家へ訪問した。
伯父は母の兄で、ずっとこの地に住んでいた。
母はスコットランド出身で、父と恋に落ちてロンドンに来た。
母の家は、スコットランドで古くからある家柄だった。
母は、マリアンヌが15歳の時に亡くなった。そのため、他の姉妹に比べると、母との思い出が多い方だった。一方、末っ子のポリアンヌは、淡い記憶しか持っていなかった。
そこでマリアンヌは、母との繋がりを見つけるため、伯父一家に出来るだけ訪れようとした。
伯父一家はもちろん、マリアンヌ達の滞在を喜んでくれた。
伯父達には、小さい双子の男女がいて、マリアンヌ達が来ると、彼らの遊び相手になってくれるので喜んでいた。
伯父とおばさんは、マリアンヌ達を手作りケーキとミルクで迎えてくれた。
そしてよく母との思い出を話してくれた。
マリアンヌ達の母とおばさんは、小さい頃からの知り合いだったから、母の小さい時や、父と結婚しようとしていた時期のことを話してくれた。また、一族の歴史やこの地方の特徴なども教えてくれた。おかげでマリアンヌ達は、とても楽しい時間を過ごせた。
こうして親戚と仲良くなれたことは、マリアンヌ達がこちらへ引っ越してきて良かったことの一つだった。
伯父一家の城は、マリアンヌ達の城よりもずっと居心地がよく、隙間風が入ってきて、廊下を通る度に凍えそうな思いをしなくてよかったことがお気に入りだった。
そして姉妹達は、まるで秘密の城のように五人で探検しまくった。歩く度にまだ見ぬ部屋や場所を見つけるのでワクワクした。
道中、ゴツゴツした岩がいくつかあったが、それも気にならなかった。この辺りの地所は、伯父一家の管理の物なので、危ない思いをする危険性もなかったので、付き添いも必要なかった。
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