その背中、抱きしめて 【上】
「ゆず、ゆーず!」
耳のそばで呼ばれて、ハッと我に返った。
振り向くと、さくらちゃんが怪訝そうな顔で私を見てる。
今日もさくらちゃんと一緒にお風呂。
だけど、無意識に考え事をしてたみたい…。
「どうしたの、何か朝から心ここに在らずな感じだよ。何かあった?」
さくらちゃんに今朝のことを相談するべきなのかな。
それとも、あれはなかったことにした方がいいのかな。
「…高遠氏のことかい?」
「えっ!!??」
”高遠”っていう単語に過剰に反応しちゃう。
心臓がバクバクする。
「わかりやすいねぇ、ゆずは。高遠くんと何かあったの?」