その背中、抱きしめて 【上】
「実は…」
さくらちゃんに今朝のことを話した。
恥ずかしくて途中何回か躊躇ったけど、さくらちゃんは黙って聞いてくれた。
「ゆずは?高遠くんのことどう?気持ちに応えられる?」
「…わかんない…。高遠くんのことは本当にすごく憧れてたの。うちの学校に入学してきたの、本当に嬉しかった。でもそれはバレーをしてる高遠くんに憧れてるからだと思うし…恋とは違うんじゃないかって…」
高遠くんのそばにいるとドキドキする。
高遠くんと話すとドキドキする。
でもそれは…憧れの人が目の前にいるから。
「ゆずがバレーしてる高遠くんの姿に憧れてるのはよくわかってるよ。でもさ、実際会って話したり勉強教えてもらったりして、そういうの嬉しい?もっと話したいって思う?」
そりゃ嬉しいよ。
けど…。
「高遠くんと話すのすごく緊張するの。ちょっと近寄りがたい雰囲気もあるし」
さくらちゃんが、1つため息をつく。
「そうだよねぇ…」