その背中、抱きしめて 【上】
「あの子、愛想もないし常に近づくなオーラ出してるからねぇ」
そう。
だから、話しかけにくい。
他の1年生とは冗談も言い合えるのに、高遠くんだけは話すの緊張する。
「だけどゆず、考えてみて。いつもゆずに話しかけてるのは高遠くんからだよ。いつもいいタイミングでゆずの前に現れるでしょ?高遠くんは自分からゆずに心を開きに行ってるよ」
最初はスポーツテストの時だった。
垂直跳びで跳ぶタイミングのアドバイスを一言くれた。
それから図書室。
いきなり現れて勉強を教えてくれた。
教室に来てくれたこともあった。
試験の成績が貼り出された時も声をかけてくれた。
そうだった。
いつも高遠くんが話しかけてくれてた。
いつも私のこと気にかけてくれてた。