その背中、抱きしめて 【上】
午後も夜も
ずっと胸がチクチク痛んでた。
考えないように考えないように意識してるのに、どうしても高遠くんのことを考えちゃう。
今まで生きてきた中でありえなかったことが昨日1日でたくさん起こってしまったから、きっとそれで高遠くんを意識しちゃってるんだと思う。
意識しない、考えないことが最善なのはわかってるんだけど、頭でわかっててもなかなか心は言うことを聞いてくれない。
毎日恒例のさくらちゃんとのお風呂タイム。
さくらちゃんには隠し事したくなくて、今日1日思ってたこと、考えてたことを正直に話した。
胸がチクリと痛むこと。
さくらちゃんは嬉しそうに笑った。
「ゆず、それが恋だよ。恋して切なくなると胸がチクチク痛むんだよ。1日中ずっとその人のこと考えちゃったり…その人のことで一喜一憂しちゃったり、そういうのを恋っていうんだよ。高遠くんのこと、憧れから恋に変わったんだよ」
これが…恋?
これが”好き”っていう気持ち?
「おめでとう、ゆず。これがゆずの初恋だね」