その背中、抱きしめて 【上】
怖かった。
本当に幽霊かと思って怖かった。
だけど、高遠くんに抱き締められて安心して…脚の力が一気に抜けた。
「!」
高遠くんの腕に力が入る。
私が尻もちつかないように支えてくれた。
「先輩、ほんとに怖がりなんですね」
ぎゅっと後ろから抱きしめられたまま、優しい声が降ってくる。
「な、何度もほんとにごめん…」
何とか脚に力を入れて、高遠くんの方に顔と体を向ける。
その瞬間
頭上で急に風が吹いて木々が音を立てて揺れた。
「き、きゃぁぁぁぁっ!!」
何何何!!!
今度こそ幽霊のしわざ!!!