その背中、抱きしめて 【上】
お姉ちゃんに引っ張られてお母さんがエプロンをしたまま出てきた。
「ゆ、柚香…もしかしてその子が…」
お姉ちゃんがワナワナしてる。
「藤宮高校男子バレー部1年の高遠翔といいます。先日から柚香先輩と真剣にお付き合いさせて頂いています。今日は柚香先輩を夕飯どきまで連れ回してしまい、申し訳ありませんでした」
高遠くんが深々と頭を下げた。
「頭を上げて下さい。柚香をまだ明るいうちに家まで送ってくれてどうもありがとう。今度ゆっくりうちにも遊びに来て下さいね」
お母さんが高遠くんにお礼を言った。
「高遠くん、ありがとう。気をつけて帰ってね」
高遠くんを見送って家に入る。
「もうご飯になるから着替えてらっしゃい」
「はーい」
部屋に入ってベッドに倒れこむ。
『今度ゆっくりうちにも遊びに来て下さいね』
これは、お母さん公認ってことでいいのかなぁ。
高遠くんにお礼のLINEを打った。
『今日1日ほんとにどうもありがとう。楽しかったよ♡』
ホワイトタイガーとシロクマのぬいぐるみを抱きしめてから枕の横に置いた。
「柚香ー、ご飯よー」
「はーい」