その背中、抱きしめて 【上】
「あのイケメン、やっぱすごいね」
校庭に向かう途中、さくらちゃんと高遠くんの話題になった。
「中2の時もすごかったんだよ。ジャンプからアタックまでのフォームが綺麗で、滞空時間も長いし羽根が生えてるかと思うくらいだったよ。…といっても高遠くんと同一人物かどうかも、今となっては疑わしいけど…」
さくらちゃんが黙って私を見てる。
「何さくらちゃん、どうしたの?」
「いや、入学式の時から思ってたんだけどさ。ゆずアンタさ、あのイケメンに恋してるんじゃない?」
「はぁ!?恋!?違うよ、ってか全然違うでしょ。あのフォームが綺麗だったっていうだけだじゃん」
いきなり何を言い出すのかと思えば。
恋なわけないじゃん。
だいたい、私全然高遠くんのこと知らないし。
あのフォームには憧れてるよ。
本当に本当に綺麗だったし。
でもそれだけだよ。