その背中、抱きしめて 【上】
50メートル走は相変わらずのタイムだった。
そんないきなり速くなるわけないのはわかってるさ。
「50メートル、8秒6。おっそ…」
「!!!」
上から降ってくる声に、反射的に振り返る。
「高遠くん!?」
「すいません、あまりに衝撃的なタイムだったんでつい…」
ななななな…
何で高遠くんに記録紙のタイムを見られ(広げて見てた私がいけないんだけどさ)
遅いとか呟かれなきゃいけないの…!
「じゃ、じゃあ高遠くんは何秒だったの?」
どうせ速いのはわかってるよ。
身体能力高いのは毎日の部活で身をもって実感してるよ。
「5秒2です」
ぐはっ!!
やっぱり!!!!