その背中、抱きしめて 【上】
「ねぇ、先輩」
電車のガタンゴトンって音に消されそうなくらいの小さな声で呼ばれたのに気付いて上を向く。
「ほんとに俺とやり直してくれるの?」
ドアにもたれかかって窓の外を見たまま私に聞いてきた。
さっき学校でも返事したのにな。
再確認してくるなんてどうしたんだろう。
「うん。じゃなきゃ今ここにいないよ」
高遠くんが私を見下ろす。
「…そっか」
そう呟いた高遠くんの口角はほんの少しだけ上がってた。
”ちょっと付き合って”と連れていかれたのはアクセサリーショップ。
私服の時の高遠くんはデザインや材質の違うブレスレットをいくつも付けてるから、きっとその買い足しなのかなぁ。
(…って、あれ????カップルか女子しかいない…?)
ショーケースを除いても男子がするようなゴツいデザインのアクセサリーはなくて、むしろ…。
「た、高遠くん…お店間違ってるんじゃあ…?」
「何で?間違ってないよ」