その背中、抱きしめて 【上】
テーマパークの最寄り駅が近くなるほど電車の中はカップルが多くなった。
(みんな楽しそうだなぁ。ラブラブなんだなぁ)
夏は高遠くんと楽しくできてたけど(高遠くんはバカ笑いしないけどさ)、今日はぎこちなくて全然前みたいにできないもん…。
なんか緊張するし。
スポーツもそうだけど、やっぱりブランクがあると勘を掴むのに少し時間がかかるんだなぁ。
駅に降り立った時にはもう車もライトを点けているくらい日が暮れかけていた。
「先にご飯だよね?どこかいいところあるかなぁ」
勘を取り戻すために頑張って自分から話しかけてみる。
頑張れ私。
「あのファミレスはもう外まで並んでる」
高遠くんがげんなりしたように言う。
駅前のファミレスは人がいっぱい。
そんなわけでテーマパークと反対方向に少し歩いた。
「あ、パスタ屋さんあるよ。あそこは?」
間口の小さなパスタ屋さんを見つけた。
さすがに反対方向は人通りもあっちほどじゃなくて、このお店も並んでないみたい。
「いいね、入ろう」
お店の中は2組いるだけ。
まだ夕方5時過ぎだから、少し夕飯には早いもんね。
お店入れてよかったー。