その背中、抱きしめて 【上】
高遠くんは店員さんに指輪用のネックレスもお願いしてレジに行ってしまった。
場違いもいいところなんですけど。
ていうか、全部でいくらになるの?
金の心配すんなって言ったって、そりゃするでしょう!
高遠くんだってバイトしてないのに、お小遣いだけでこんな高額なもの買えんの?
(…やっぱりお父さんか?)
だいたい高校生の私がこんな高価なものを身に着けていいんだろうか。
申し訳なさ過ぎて高遠くんの顔が見れなくなるかもしれない。
あぁ、いったい私はどうすれば…。
頭の中がごちゃごちゃになって爆発寸前のところへ高遠くんが会計を終わらせて戻ってきた。
「受け取りまでちょっと時間がかかるから、帰りに寄ろう」
え?そうなの?
箱に入れてもらって終了じゃないの?
あ、クリスマスでお店が忙しいのかな。
「じゃ、そろそろ行こうか。それであっちの近くで何かご飯食べよう」
爆発寸前だった頭の中がそのまま真っ白な灰になったように何も考えられなくなった私は、高遠くんに引っ張られてついていくしかなかった。