その背中、抱きしめて 【上】
--------1週間後。
「翔くんと初詣行くってわりには、エラいテンション低いじゃん。どしたの?」
お姉ちゃんが私のベッドの上から私を観察してる。
「何で私の着物ないの…?初詣だよ?着物でしょう。それで1年の初めに『可愛い♡』って思ってもらわなきゃでしょ」
そう。
着物で行きたかったのに、私の着物は無い。
あぁ何で買っといてくれないのお母さん!!!
「今更しょうがないじゃん。その服で十分だよ。翔くんと初詣に行くことに意義があるんじゃないのか!」
そりゃそうだけど、でも着物ーーーーーーーーーー(泣)
お姉ちゃんが私のすぐ後ろに立って、私の肩に手を置く。
「可愛いよ、柚香」
ちょっと低い声で、そう言う。
「高遠くんはそんなこと言わないーーー!!!」
どうしてお姉ちゃんはこんなにお調子者なんだろう。
…でもそのおかげで、今まで笑いながら楽しく生活してこれたんだけど。
「ほら、早く行きな。男を待たせるんじゃないよっ」
お姉ちゃんに背中を押されて家を出た。