その背中、抱きしめて 【上】



--------1週間後。




「翔くんと初詣行くってわりには、エラいテンション低いじゃん。どしたの?」

お姉ちゃんが私のベッドの上から私を観察してる。

「何で私の着物ないの…?初詣だよ?着物でしょう。それで1年の初めに『可愛い♡』って思ってもらわなきゃでしょ」


そう。

着物で行きたかったのに、私の着物は無い。

あぁ何で買っといてくれないのお母さん!!!


「今更しょうがないじゃん。その服で十分だよ。翔くんと初詣に行くことに意義があるんじゃないのか!」

そりゃそうだけど、でも着物ーーーーーーーーーー(泣)

お姉ちゃんが私のすぐ後ろに立って、私の肩に手を置く。


「可愛いよ、柚香」


ちょっと低い声で、そう言う。


「高遠くんはそんなこと言わないーーー!!!」


どうしてお姉ちゃんはこんなにお調子者なんだろう。

…でもそのおかげで、今まで笑いながら楽しく生活してこれたんだけど。



「ほら、早く行きな。男を待たせるんじゃないよっ」

お姉ちゃんに背中を押されて家を出た。



< 355 / 503 >

この作品をシェア

pagetop