その背中、抱きしめて 【上】



「ひゃー、やっぱり人すごいねー」

参道入口からびっしり続く長蛇の列。

「これじゃお参りできるまで結構時間かかりそうだねー」

「俺は別に平気。その分先輩と長くいられるし」


反射的に高遠くんを見上げる。

「…先輩、すぐ顔赤くなるよね。こっちまで恥ずかしくなるから自重して」

「…ごめんなさい」

恥ずかしくて両手で顔を覆う。


でも、高遠くんが悪いんだよ。

嬉しいことたくさん言うから。

ドキッとすることをするから。



たわいない、でも楽しいやり取りをしながら1時間。

ようやく本堂までたどり着いた。

おさい銭をして手を合わせる。



高遠くんと仲良く過ごせますように。

もう離れないでいられますように。

そして、高遠くんが怪我しませんように。

どうか、どうか…。



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