その背中、抱きしめて 【上】
「ずいぶん長く手ぇ合わせてたね。何お願いしてたの?」
おみくじの列に並びながら高遠くんがニヤニヤする。
「高遠くんと楽しく過ごせますようにって。あと、もうあの3ヶ月みたいに離れないでいられますように」
「お願い1つじゃないの?欲張りだね。神様に聞いてもらえないかもよ」
高遠くんが笑う。
願い事はまだあるよ。
「それから、高遠くんが怪我しませんように」
高遠くんが少し目を見開いた。
でもそれは切実な願い。
もうあんな辛そうな顔は見たくない。
高遠くんがいないコートも辛くて見れない。
ずっと見てたいんだ、あの背中を。
宙を舞う、あの広くて綺麗な背番号4を。