その背中、抱きしめて 【上】



「せーのっ」

2人同時におみくじを開く。


「うわぁ…」

目に飛び込んでくる『大吉』の文字。

しかも2つ。


「2人とも大吉っ。すごーい!こんなことってあるんだねぇ」


あ、恋愛!

恋愛運はどうなの?


「…愛を捧げよ。倖せになる」

(ちょっ!!!)

声に出したものの恥ずかしい!!!

でも嬉しい!!!

「高遠くんのは…この人となら幸福になる」

え??

ちょっと、これって…。


「”この人”ってどの人?」

高遠くんが片方の口角を上げて私を見下ろす。

ぞくっとするほど綺麗な顔で。


「この人!」

私は自分を指さした。

私以外いないでしょ!!?


「くはっ」

高遠くんが吹き出してそのまま笑う。

いつになく楽しそうに声を上げて。


「ねぇ、そこ笑うところじゃないよ高遠くんっ」

「だって、模範解答…!」

高遠くんはまたケラケラ笑った。



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