その背中、抱きしめて 【上】



目線の先から小走りで寄ってきたのは芦澤学園の清水くん。

「あけおめ」

清水くんが高遠くんの首に手を回す。

高遠くんは嫌そうに(実際は嫌じゃないくせに)軽くあしらってる。


私は…気まずくてあまり会いたくなかった。

2学期の期末勉強の時に告白されて、友達からってことになったけど…また高遠くんとヨリを戻しちゃったから。

友達ではいられるけど、付き合うとかはもうないから…ちゃんとそれを伝えなきゃいけない。

なのにクリスマスから浮かれてたり部活だったりで全然清水くんとのこと考えてなかった。

ほんと私って最悪だ。


「柚香先輩もあけおめです」

変わらない笑顔。

ますます罪悪感が大きくなる。


「そうだ、うちの学校春高の本選出るんだよ」

清水くんが私たちに向かって急に切り出した。

「知ってるよ」

高遠くんがまた嫌そうに答える。


「だからさ、柚香先輩に春高優勝をプレゼントしますよ」


…は?



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