その背中、抱きしめて 【上】
「…何言ってんだよ。先輩はうちの学校なんだよ。プレゼントも何もねぇだろ」
高遠くんがマジギレ状態。
「俺、本選のスタメンになったんだよね。だからそれで優勝したらメダルを柚香先輩にプレゼントしようと思って」
「いらねぇよ!」
高遠くんがいつになく声を荒げる。
(どうしよう…新年早々修羅場…しかも親友の2人が…)
「だって翔にはできないことじゃん?前に俺言ったよね?柚香先輩狙ってるって。しかも翔は柚香先輩を手放したのに、また今日一緒にいるし。俺だって胸クソ悪いわけ」
2人の攻防に声が出ない。
何を言ったらいいのかもわからない。
私が…私が悪いんだ。
ちゃんと清水くんのこと断らなかったから。
友達からとかじゃなくて、ちゃんとキッパリ断っておけばこんなことにはならなかった…。
「そういうわけだから、柚香先輩応援しててね」
清水くんが私に笑顔を向ける。
それでも私は何も声が出ないし、動くことすらできない。
「じゃあね、翔。指くわえて見てな」
清水くんは笑いながら去って言った。