その背中、抱きしめて 【上】



「大地、そこまでにしてやって」


頭の上で高遠くんの声。

清水くんの顔が少し和らいだ。


「翔が人を守るとか想像もつかなかったな。あんなに他人に無関心だったのに」

「他人には無関心だよ、今でも」

「柚香先輩は他人じゃないってことね。ほんと変わったなぁ翔」


2人の会話を見守ることしかできない。

何を言ったらいいのか全然わかんない。

頭が働かない。



「お前が先輩を好きなのは勝手だけど、絶対渡さないから」



その言葉に反応して高遠くんを見上げる。

信じていいの?

嬉しくて涙がこみ上げてきた。



< 372 / 503 >

この作品をシェア

pagetop