その背中、抱きしめて 【上】
「大地、そこまでにしてやって」
頭の上で高遠くんの声。
清水くんの顔が少し和らいだ。
「翔が人を守るとか想像もつかなかったな。あんなに他人に無関心だったのに」
「他人には無関心だよ、今でも」
「柚香先輩は他人じゃないってことね。ほんと変わったなぁ翔」
2人の会話を見守ることしかできない。
何を言ったらいいのか全然わかんない。
頭が働かない。
「お前が先輩を好きなのは勝手だけど、絶対渡さないから」
その言葉に反応して高遠くんを見上げる。
信じていいの?
嬉しくて涙がこみ上げてきた。