その背中、抱きしめて 【上】
「えっと…あの、さっき気付いたかもしれないけど、高遠くんとヨリ戻したの」
数秒の沈黙。
「うん、だと思った。それで?」
「あの…前に私のこと好、好きって言ってくれたけど、私やっぱり高遠くんを好きな気持ちは変わらなくて…清水くんの気持ちに応えることはできないの。ごめんなさいっ」
思いっきり深々と頭を下げた。
「…柚香先輩の気持ちは分かった。でも…」
「…でも?」
「柚香先輩だって翔への気持ち変わらないんでしょ?俺だって簡単には柚香先輩のこと諦められません」
え、でも…だったらどうしたら…?
「自然に柚香先輩への好きって気持ちがなくなるまで、好きなままでいます。そうすればそのうちまた翔と別れるかもしれないし」
「別れないよっ!」
先のことなんてわからないけど、でも別れないよ。
別れたくないよ。
「そんなのわからないでしょ?あいつは人一倍プライド高いし、しかもあの見た目でモテるし。心変わりするかもしれない」
…何も言い返せない。
未来のことなんてわからないし、また私が干渉しすぎて地雷を踏む可能性だってある。
これからもっともっと大人っぽくなって、今よりモテることは必至。
高遠くんが私から離れていかない保証なんてどこにもないんだ…。