その背中、抱きしめて 【上】



やっぱり思った通りだ。

午後の授業は全然身に入らなかった。


(高遠くんがあんなことするからっ…)



案の定、部活中も心あらず状態。

だって恥ずかしくて高遠くんの顔がまともに見れないもん。

嬉しかったけど、それ以上に恥ずかしくてドキドキして…。

(何度か高遠くんと目が合ったけど、逸らしちゃったし…)


絶対高遠くんも嫌な気持ちになったよね。

謝らなきゃ…。


盛大にため息をついて部室を出た。

校門のところで高遠くんが待ってる。

下を向いたまま高遠くんの前で止まった。

「何で下向いてんの?」


若干不機嫌な高遠くんの声。

昼休みはあんな笑顔を見せてくれたのに、数時間後にこんな声を出させるなんて私ってもう…救いようがない。。。

「は、恥ずかしくて…」

下を向いたまま答える。

「恥ずかしい?何が?」

高遠くんの機嫌はまだ悪いまま。。。

「何が?」

もう一度、今度は語気を強めて聞いてくる。

言うのも恥ずかしい…けど、何でも話すってクリスマスイブに約束したから。


「…昼休みの…キス…」

「え?」

「キス…ドキドキしすぎて高遠くんの顔ずっと見れなかった」


少しだけ顔を上げて、ちらっと上目で高遠くんを見る。

その瞬間、腰を思いっきり抱き寄せられた。




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