その背中、抱きしめて 【上】



「先輩、あのキスで午後ずっとそんなにドキドキしてんの?」

高遠くんのちょっと意地悪そうな顔。

「もう1回する?」

片手で腰を抱き寄せられたまま、もう片方の手で顎を上に向けられる。

そして、大きな手で、長い指でほっぺたを包まれて…


「や、無理…っ」


私の言葉は唇で塞がれて閉じ込められた。

唇が離れた瞬間、吸い込まれるような高遠くんの瞳が目の前にあって

「柚香先輩、口閉じてたらキスできない」

ムリヤリ口を開けさせられる。


頭がしびれて思考回路が完全にショート。

足に力も入らない。



普段は”先輩”なのに”柚香先輩”って呼ぶ時は、高遠くんの気持ちが思いっきり私に向いてる時。

それだけは前から気付いてた。



「はっ…高遠くん…もぉ、ほんと無理っ…」

「ダメ」

何度も角度を変えて激しいキスをされる。

逃げても舌が追ってくる。

息もできないし、ぎゅっと瞑った目に涙が溜まっていくのがわかる。


ようやく熱い唇が離れると

「柚香先輩…ほんとエロいよね。そんなに真っ赤な顔で涙溜めてたら止めらんなくなるよ」

そう言って私の目にキスをした。



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