その背中、抱きしめて 【上】
「あっちー」
高遠くんが髪をガシガシ拭きながらリビングに入ってきた。
…っていうか上半身裸!!!
「ちょっ、高遠くんTシャツ着て!!」
「は?何で?暑くてムリ」
半裸とか直視できないんですけど!!!
Tシャツ着るまでキッチンの片づけしよう。
部活中、特に夏なんてみんな体育館でTシャツ着替えたりするし男子の上半身裸なんて見慣れてるはずなのに、何で高遠くんの裸は直視できないんだろう。
(筋肉の付き方がキレイすぎる。そして色っぽすぎる)
全く違うことを考えながら心臓を落ち着ける。
無心、無心。
「先輩、なに耳まで真っ赤になってんの」
今日何度目かの高遠くんの意地悪。
「赤くなってないよ!」
焦って否定するけど、自分でも赤くなってるのわかってる。
顔すっごい熱いもん。
「先輩おいで」
すっごい恥ずかしいのに、そんな優しい笑顔で手招きされたら拒否できるわけない。
視線を外して高遠くんが座ってるソファーに近づく。
そっと手首を掴まれて、高遠くんの膝の間に座らされた。
後ろから優しく抱き締められて、体が緊張する。
「部活で男の裸なんて見慣れてるでしょ?何で緊張してんの?」
「わ、わかんないけど高遠くんの裸は別っぽい」
「”ぽい”って何」
高遠くんが笑う。