その背中、抱きしめて 【上】



階段を上りきったところで、高遠くんの部屋のドアが開いた。


「あ」


2人同時に声が出る。

″ガクッ″と私の首が下に落ちた。



(私が起こそうと思ったのに~~~~)



同棲カップルとかみたいな、まだ眠たがる彼氏を起こすってシチュやりたかったのに。


「どうしたの?」

高遠くんが怪訝そうに私を覗き込む。


「朝ごはんの準備が出来たから高遠くんを起こそうと思ったんだよ」

残念極まりない!!

本気で悲しい顔してる私を見て、高遠くんがニヤッと笑う。


「あーごめん。やり直しする?俺が寝てるところから」

「し、しないよ!ご飯冷めちゃうから早く下行こっ」


高遠くん、最近ほんと私のことよくからかう。

(前はそんなキャラじゃなかったのに)



「味噌汁の匂いする…」

「和食にしたんだけど大丈夫?」


「朝起きたら味噌汁の匂いしてるとか…ほんと幸せ」



そうだよね。

誰も作ってくれないんだもんね。

自分で作るしかないんだもんね。

この2日間でほんの少しは高遠くんの心の癒しになれてるのかな。



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