その背中、抱きしめて 【上】
「はい、満点」
ルーズリーフに赤い花丸。
もういくつ花丸をもらっただろう。
「先輩、今回のテスト結構いい点いくと思うよ。ちゃんと理解できてるからひねった問題があっても引っかからずに解けてるし」
「今の言葉、すっごい安心するー」
今学期は自分なりにかなり気合入ってる。
どのバレー強豪大学でも合格するっていう目標が出来たから。
それでも自分ではちゃんと出来てるのか不安にもなるから、客観的にそう言ってもらえると本当に安心する。
ふと壁の時計に目をやると、11時半を回ってた。
「あ、そろそろお昼近いよ。ご飯の用意する?」
「そうしよっか。じゃあ今度は俺が作るよ」
「ほんと?やったーー!!」
嬉しさがそのまま両腕に伝わって、バンザイする。
高遠くんは”子供みてぇ”って吹き出して笑った。
目の前のフライパンでミートソースが作られていく。
お昼は高遠くんがパスタを作ってくれることになった。
「私、ミートソースはお店かレトルトでしか食べたことないよ」
私が作れない料理を年下の男子高生がいとも簡単に作ってるとか、私本当に女子失格かもしれない。
(3年の3学期、自由登校になったら料理教室通おうかな…)
一口食べたミートソースパスタはお店で出てくるような美味しさで、目がキラキラした。
「おいしー!何これ、おいしー!!お店のパスタみたい」
「いや、普通だから。この程度でそんなに喜んでもらえると思わなかったな」
高遠くんが若干困惑気味だけど、そんなのことはどうでもいい。
「毎日食べたい!!」
「毎日って…飽きるでしょ」