その背中、抱きしめて 【上】
放課後、いつものように昇降口で高遠くんと待ち合わせ。
今日が週一の部活休みの日とか、奇跡としか言いようがない。
今日は私の方が先に昇降口に着いた。
(そういえば、だいたい高遠くんの方が先に着いて待っててくれるんだよね)
好きな人待ってるのって何だか嬉しいな。
まだかなって待ってるのって何だか楽しい。
昇降口からたくさんの生徒が帰っていく。
たくさんの笑い声を聞きながら高遠くんを待った。
「先輩」
頭の上で愛しい声がする。
見上げれば愛しい顔がある。
「どうしたの?なんか嬉しそうだね」
「待ってるのってなんかいいなぁって思って」
「でしょ?俺も好き」
そう言って高遠くんは笑った。