その背中、抱きしめて 【上】
そんなわけで、あっという間にインターハイ予選。
メンバー以外はコートに入れないから、私たちは毎試合スタンドで応援。
1回戦から順当に勝ち上がっていたものの、準々決勝で予選優勝候補の強豪校と対戦することになった。
ちなみにこの学校には、私が入学してから勝ったことがない。
0勝5敗。
それでも、頑張って。
頑張って、みんな。
着席して試合前の練習を見守る。
練習が終わって、両チームの選手がエンドラインに整列する。
短く笛が鳴って、ネット越しに両チームの選手が握手した。
「よいしょ」
私の席の隣、席の上から現れたのは高遠くん。
「どこ行ってたの?ちょうど今から始まるところだよ」
「そうみたいですね」
どこに行ってたかは答えないのね。
まぁいいけど。
ピピーーーーーーーッ。
試合が始まった。