モテ系同期と偽装恋愛!?

そんなふうに落ち着いて観察できるのは、きっと寝てくれたお陰だろう。

当たり前だが、じっと見ても反応がない。
スースーと寝息を立て始めた彼は、今だけは私を脅かす存在ではなかった。

顔は左半分も見えないので、お尻の位置を少し前にずらして、思い切って覗き込んでみた。

あ……可愛い寝顔……。

伏せた睫毛が意外と長くて、気を抜いた半開きの口もとが、子供みたいに可愛らしく思えた。

グッスリと眠りに入っている彼を見て、寝不足だったのかと心配する。

中国出張から帰ったばかりで、報告書の作成に追われていただろうし、今度うちの部署で立ち上げるプロジェクトのリーダーもやっているから、私より遥かに忙しいのは分かっている。

今回の出張は、横山くんにとって明らかに余計な仕事だよね……なんだか申し訳ない……。

怖いと感じない可愛らしい寝顔を見ていると、私もあくびが出てしまった。

実は私も寝不足。昨夜は緊張と不安を抱えたままベッドに入り、案の定よく眠れなかった。

フワッとあくびをした後に、横山くんの隣で目を閉じる。

長野に着いたら起こさなくてはいけないから、眠るつもりはない。ただ目を閉じるだけ……そう思いながら、意識が遠のいてしまった。

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