モテ系同期と偽装恋愛!?

長野駅前でレンタカーを一台借りて乗り込んだ。

密室空間に男性とふたりきりになると、どうしても怖くなってしまう私。

でも今は、それよりも気まずい空気に心が落ち着かない。

運転は横山くんがしてくれて、私は助手席。
無言の車内にクーラーの排気音と、FMラジオのDJの声だけが流れていた。

早く着いてほしいと願っても所要時間は変えられず、山間の田舎町にある葉王長野工場までは、1時間半ほどの遠い道のりだった。

途中で道の駅のような国道沿いの建物に入り、簡単な昼食を取る。

ここまで1時間ほど運転してきた横山くんの疲れを取るため20分休憩して、また車へ。

エンジンを掛けハンドルを握った彼は、まだ疲れが取れないのか首を回していて、助手席からつい話しかけてしまった。

「運転、代わる……?」

長時間の運転が苦にならないよう楽しい雰囲気を作り出すこともできず、逆に気まずい空気を垂れ流してしまうダメな私。

横山くんの助けになれず、負担ばかりをかけていることが申し訳なく感じていた。

去年、須田係長と長野出張した時も、私は当たり前のように助手席だったが、横山くんとだと自分ばかり楽していることを気にしてしまう。

同期だから、そう思うのか……。

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