モテ系同期と偽装恋愛!?
葉王の男性社員が邪魔して、お店の中で思うように近づけなかったという話をして、彼女たちは競うように好意を示す。
横山くんはいつもの明るいノリで、それに応えていて、楽しそうな3人に背を向けた私は窓辺にもたれ、また花火を見始めた。
大きい花火もいいけれど、小玉の連弾も好き。
色が重なって、花束みたいでとても綺麗……。
目は花火に、耳は後ろ会話に、心は……そのふたつの間を行ったり来たりしてしまう。
お姉さんたちは口々に横山くんの容姿を褒めちぎってから、付き合っている彼女はどんな子なのかと聞いていた。
「いないです」
彼のそのひと言に「うそーっ⁉︎」と、驚きより喜びの強い黄色い声が廊下に響く。
まだ新しい彼女はいないのか……。
総務の長谷川さんと別れたのは、ひと月ほど前のことだったと思う。
あれ……いつもなら、とっくに新しい彼女ができているはず。
彼を狙っている女子社員はたくさんいるのに、今回はどうして……。
ヒュルヒュルと夜空に上がった火の玉は、ドンと弾けて、花ではない形に輝いた。
これは型物と呼ばれる花火で、斜めになって分かりにくいけれど、スマイルの形だろうか。
型物花火を考えた人は凄いと思う。でも、私は普通のお花みたいな花火の方が好きだな……。