モテ系同期と偽装恋愛!?
嬉しくなってついニヤけてしまったら、なにか情報を隠していると思われて、くすぐられてしまった。
笑い声を上げる私に「ずるーい」とお姉さんふたりの声が綺麗にハモった時、コツコツと後ろに革靴の音がして、「楽しそうだね、俺も混ぜて」と横山くんの声が聞こえた。
振り向くとネイビースーツのジャケットを脱いだ白いワイシャツ姿の彼が、左手をズボンのポケットに入れて、右手でネクタイを緩めながら近づいてくる。
お酒のせいで瞳が少々潤んでいるのが、元々の甘口の色気をパワーアップさせていて、私と一緒に大笑いした神社の彼と別の顔に見えた。
いかにもモテそうな大人の雰囲気を纏う夜の彼に、女性3人並んだ中で、私だけが表情を硬くしてしまう。
横山くんはいい人だと分かっている。
この飲み会でも助けられた自覚はあり、感謝もしている。
それでも、女子の集団の中にモテる男子がひとり混ざるというこの状況は、歓迎できるものではなかった。
過去の経験から、この先には危険な展開が待っているはずだと脳が判断してしまい、笑えなくなるのだ。
そして予想通りというべきか、さっきまで友達のように話してくれたお姉さんふたりに、体を使ってゆっくりと後ろに押し下げられてしまう。
まるで横山くんの視界に入るなと言いたげに、ふたり並んで私の前に立ちはだかって……。
それは多分、意識的な行動ではなく本能的なものだと思う。
自分に注目してもらいたいから、他に目立つ存在がいれば排除してしまうものなのだ。
だから、彼女たちを悪く言うつもりはない。
横山くんはカッコイイから、女性なら誰でも独り占めしてみたくなるはず……私以外の女性なら……。