モテ系同期と偽装恋愛!?
午前中の仕事は特に変わったこともなく終わり、お昼休みに社屋を抜けた私は、徒歩5分の場所にあるうどん屋に来ていた。
チェーン展開しているこのうどん屋は、広くて小綺麗で、ファミレスみたいなボックス席があるので使いやすい。
4人掛けのボックス席に桃ちゃんと向かい合って座り、12種類の野菜の入ったサラダうどんを食べながら、今朝の続きの話をしていた。
私が遼介くんのふたつめの特殊能力についての疑問を話すと、「あー、なんとなく分かるわ」と桃ちゃんが同意する。
桃ちゃんいわく、彼にはそういうところが時々見受けられるらしい。
仲のいい人だけで集まると、愚痴り合いが始まることがある。
それが飲みの席なら尚のこと、気に入らない人の悪口で盛り上がったりするのがセオリー。
しかし、その集まりの場に遼介くんがいると、なぜかそうならないらしい。
皆んな、毒気を抜かれたようにいい人になり、愚痴も悪口も忘れてしまうというのだ。
桃ちゃんはサラダうどんの中の、苦手なセロリを私の皿に移しながら言葉を続ける。
「紗姫に言われて気づいた。今まで遼介のこと、性善説まっしぐらなタイプかと思っていたけど違うかも。
皆んながいい人でいられるように、あいつが言葉巧みに場の雰囲気を調整していたのかも」