モテ系同期と偽装恋愛!?
リビングに足を踏み入れた彼は、ダイニングテーブルいっぱいに乗せられた料理に、目を見開いた。
「すげー! これ全部、作ったの?」
「うん、今日は遼介くんの誕生日だからお祝いを……」
床に鞄を置いた彼は、私を胸に抱きしめた。
エプロンを付けたままでは彼のスーツを汚してしまいそうで気になったが、「いいよ」と言われてしまい、離してくれない。
「祝ってもらえると思っていなかった。誕生日を知らないと思ってたし」
「うっ……実は……」
申し訳なさいっぱいで、全てを白状する。
桃ちゃんに教えてもらって今日の午後に知ったことと、準備の時間が足りなくて手料理しか振る舞えないことを。
気を悪くさせてしまうだろうかとビクビクする私に、彼は笑いながら言った。
「そっかー。でもさ、誕生日を知ってから大変だったんじゃない? 定時で仕事を終わらせるのも、帰ってからこれだけの料理を作るのも。
紗姫の気持ちと努力が嬉しい。ありがとう」
よかった……そう言ってもらえると、知らなかった罪悪感から抜け出せる。
ホッと息を吐き出し、彼の腕の中で顔を上げて笑顔を向けた。
「遼介くん、28歳の誕生日おめでとう」
「ん、ありがとう。12月の紗姫の誕生日には、俺、張り切るから」
「私の誕生日、知ってたの?」
「もち。5年前から知ってる」
5年前ということは、入社の時からということで……あ、また罪悪感が……。