モテ系同期と偽装恋愛!?
食事に誘って断られても、平田さんは食いさがる。
「実は仕事のことで相談が……食事じゃなくて珈琲一杯でもいいので、お時間もらえませんか?」
「んー、今日は用があって。
ごめん、月曜に会社で聞くから」
「遼介先輩……さっき、この後真っすぐ帰るだけだと言ってましたよね?」
「あ、ああ〜言った……よな。ごめん、正直言うと、最近調子悪くて。
女の子とふたりで出掛けても気を遣う余裕ないから、不愉快にさせてしまいそう。だから、ごめんね」
立ち聞きしている罪悪感と緊張の中に、なぜか安堵している自分もいた。
断ってくれてよかったと、ホッとしてしまうのはなぜだろう……。
頭では彼も私も先に進むべきだと考え、新しい彼女を作ってほしいとも思うのに、心ではなぜかよかったと感じている。
それはどうして……。
自分の気持ちが理解できなくて、考えの中に沈み込もうとしていた。
それを遮るかのように、またふたりの会話が始まったので、すぐに意識がそっちに持って行かれてしまう。
「私じゃダメってことですか……?
気を遣ってくれなんて言ってません。隣に先輩がいるだけで嬉しいのに、不愉快になんかなりません。片想いでいいから……付き合って下さい……」
「ありがとう……。でもさ、すぐに苦しくなるからやめた方がいい。
片想いってキツイよな……俺、今まで付き合ってくれた女の子たちに、随分ひどいことしてたんだとやっと気づいたところ」
「紗姫さんのこと、まだ好きなんですね……。
それでもいい、苦しくなってもいい、遼介先輩お願いします!」
「平田さん……」