モテ系同期と偽装恋愛!?
「逃がさない。もう二度と紗姫と離れるのは嫌なんだ。お願い、聞き入れて」
「で、でも、急すぎて……」
「勢いで言ったんじゃないよ。口にしたのは急でも、ずっと前から考えていた。
5年前は憧れの気持ちで漠然と考えていて、その想いは増すばかり。
最近はいつプロポーズしようかと具体的に考えていた。まさかこんな形になるとは思わなかったけど」
5年前の入社のときから、私との結婚を夢みていたなんて……。
その想いの強さに心打たれる。
愛される喜びに胸が熱くなると、片時も離れたくないという想いが、私の中にも大きく膨らんでいく。
入籍までの日にちなんて、どうでもいいんだ……。
大切なのは、一緒にいたいという気持ちで、この腕の温もりなんだ……。
突然のプロポーズに驚いた後は、感極まって泣いてしまった。
にじむ視界の中で、声が震えないように気をつけて、返事をする。
「私も離れたくない……。
遼介くんと、結婚します」
私が答えている間だけ廊下は静まり返っていたが、直後にワッと歓声が上がり、拍手や祝福の言葉で一気に賑やかさを増した。
強く抱きしめられて、スーツの肩に目を押し当てると、耳もとに「ありがとう」と、ホッとしたような声が聞こえた。