モテ系同期と偽装恋愛!?
「桃ちゃん、お疲れさま〜」
私より先に来ている彼女は、会議用テーブルの最前列で缶珈琲に口をつけ、お菓子を食べていた。
「お疲れ、紗姫。
きのこの里、持ってきたから食べよ」
「わーい、これ美味しいよね。ありがとう!」
桃ちゃんの隣に座ってチョコレート菓子とレモンティーを口にする。
他愛ないお喋りをしながらの、この休憩時間がたまらなく好きだ。
ふたりだけだと気を抜くことができるし、他の社員がいる前では決して見せない緩みきった顔でアハハと笑い声を上げ、思いきり心を解放させていた。
「ところで、あの花、紗姫が飾ったんだよね?」と、話の切れ目に桃ちゃんが指したのは、演説台に乗せられた花瓶の花だった。
この憩いのひと時のためだけに私が花を飾り、定期的に交換していることを、もちろん桃ちゃんは知っている。
その上で『飾ったんだよね?』と聞くということは、花の生け方が私らしくないと感じたせいだろう。
それで、今朝の出来事を話した。
偶然にも横山くんの恋愛沙汰を立ち聞きしてしまい、その後になぜか花を生けてもらったり、色々と話す展開になったことを。
お礼のカツサンドを渡したことも話した。