モテ系同期と偽装恋愛!?

「ストレス解消の気晴らしなら、いくらでも付き合うから。今度ふたりで飲みに行こう。芋焼酎の美味しいお店を見つけたんだ」

芋焼酎……。

小柄でふんわり癒し系の外見をしている桃ちゃんには似合わない単語を聞いてしまい、思わず声を上げて笑ってしまった。

「いいじゃん。私に言わせりゃ、甘いカクテルなんてお酒の部類に入らないよ」

「うん、うん、芋焼酎でいいよ。私も好き」

「だよね。新人男子を連れて飲みに行くと、いつも言われるんだよね。浅倉さん芋焼酎っすか⁉︎ イメージ狂うって。
見た目で人を判断するなと、モツ煮込みを食べながら1時間説教よ」


外見と中身のギャップについて、桃ちゃんにも悩みがあるみたい。

でも私と違って自分をさらけ出した上で、周りと上手くやっている。

桃ちゃんて凄いよね、憧れてしまう……。

尊敬の念を抱きつつも、話が可笑しくて涙目になって笑っていると、急に後方でドアの開く音がした。

ハッとして振り向くと、横山くんが入ってきて……。

ドアを閉めた彼はニヤリと笑いながら、こっちに歩み寄る。

「随分、楽しそうだな。へぇ、ここでいつもサボってたのか。紗姫が花飾ってんのは、このためか?」

< 37 / 265 >

この作品をシェア

pagetop