モテ系同期と偽装恋愛!?
「いつ飲みに行く? 俺、次の月曜からまた海外出張なんだよね。今週の土曜にしてよ」
え、まさか……と思ったことに、桃ちゃんがすかさず突っ込みを入れてくれる。
「なに勝手に参加しようとしてんのよ。
遼介は誘ってないから」
「えー、混ぜてよ。ビール派な俺だけど、芋焼酎に付き合うからさー」
「色々と無理」
「行きたい」「ダメ」と言い合うふたりと、ハラハラしながら心の中で桃ちゃんを全力で応援する私。
いくら頼りになる桃ちゃんが一緒でも、横山くんと飲みに行くなんて考えられない。
ずっと気を張っていなければならないし、酔うに酔えず、なんのために飲みに行くのか分からなくなる。
それに万が一、仲良くなった気になられてしまったら……今後の日常生活の平和を脅かされる気が……。
桃ちゃんがキッパリダメだと言ってくれても、中々諦めてくれない横山くん。
商社マンとしては粘り強く交渉を続ける姿勢は評価されそうだが、椅子を鳴らして立ち上がった桃ちゃんに「しつこい!」と怒鳴られていた。
「あーもう、板バサミは御免よ!
遼介、あんた百戦錬磨の遊び人と言われる男でしょ?」
「俺、そんなこと言われてんの?ひでーな……」
「私に頼まず自分でなんとかしな。できないなら、男らしく諦めろ。私、トイレに行ってくるから」