モテ系同期と偽装恋愛!?
「体質的に飲めないのかと思ってたけど、違ったんだな。それなら遠慮なく誘うよ。俺とふたりで飲みに行こう?」
「ふたり⁉︎ 絶対に嫌よ」
「なんでだよ。お前なら、男とふたりで飲みに行くくらい慣れてるだろ」
「慣れてな……」
そう言いかけて口籠った。
慣れていないと言ってはいけない気がする。
最上級の男たちとの恋愛経験が豊富な、偽物の私のイメージを崩してしまうことになるから。
でも、慣れていると言うのもマズイ。
それなら俺と飲みに行くくらい平気だろうと、言われてしまいそうだ。
どっちにしても困る結果になりそうで、返事に窮して黙ってしまったら、目を瞬かせた彼が少しだけ私の方に身を乗り出してきた。
これ以上近づかれると、泣いてしまいそうなのに……。
「なんで固まってんの?
まさか……男とふたりで飲みに行ったこと、ないとか……?」
驚きに、なぜか期待のこもる視線を向けられていた。
私の中に焦りが広がる。
マズイ……バレてしまう……。
高飛車女の仮面を剥がされてしまう……。
それに加えて、この恐怖。少しでも動いたら、彼の両足に触れてしまいそう。
横山くんが少し腕を伸ばせば、私の顔や体に触れることも簡単な距離だ。