モテ系同期と偽装恋愛!?
昼食代を払いたいから、負けるためにあまりスピードを出さないようにしよう。そう考えていたのに……。
順番が来て一台ずつのカートに乗り込んだ。
運転をするのは大学時代に教習所に通った時以来で、かなり久しぶり。
ハンドルを握るとなぜか急にワクワクして、気持ちが高ぶるのを感じた。
勝った、負けたと、大騒ぎして引き上げていく小学生男子たちに触発されてしまったのかもしれない。
後ろから「よーい、スタート!」と横山くんの大声を聞いた後、当初の気持ちとは真逆に、思いっきりアクセルを踏み込む私がいた。
唸りを上げて走り出すカートに興奮する。
自分で運転するのって、こんなに楽しかったっけ……。
しかし、そう思った途端に、ふたつ目のカーブで古タイヤの壁に車体をぶつけて止まってしまった。
慌ててバックして再び走り出したら、「下手くそ!」という声が聞こえ、横山くんのカートが真横をハイスピードで走り過ぎて行った。
ああっ、20秒もハンデをもらったのに、もう早抜かされるなんて……。
追いつこうと焦るほどに、なぜかタイヤの壁に車体を擦り付けてしまうセンスのない私。
結局、二度抜かされ周回遅れにされてしまい、横山くんからかなり遅れてのゴールとなってしまった。