モテ系同期と偽装恋愛!?
サーキットから出ると、私を待っていた彼に笑われてしまう。
「紗姫、免許持っていても車の運転しない方がいいわ。すげー下手」
「うっ……」
自分でもそう思ったから、言い返す言葉はない。
でも、そんなに笑うほどのことだろうか……。
肩を揺すり、大口開けて笑う彼。
それを見て、釣られて笑いそうになるのを堪えていた。
私って、人を笑わせたり楽しませることができない人間なのだと思っていた。
同性に限っては、存在自体が目障りだと思われていそうな気もする。
だから、横山くんがこうして楽しそうに笑ってくれることが嬉しかった。「もう一回乗りたい」と、勝手に口が動いてしまうほどに。
「いいよ。次はハンデ40秒に……いや、一周の方がいいか」
「一周もいらないよ! さっきは、ハンドル握るのが久しぶりだったから失敗しちゃったけど、次はきっと勝てると思う」
「マジで言ってんの? じゃあハンデ40秒。リベンジを認める代わりに、昼飯にプラスしてデザートのアイスも掛けろよ」
「望むところよ!」
ゴーカートは思いの外、面白かった。
楽しいけれど、おかしい……ハンデを40秒ももらったのに、どうして勝てないのだろう……。