モテ系同期と偽装恋愛!?

2回目も負け、3回目も負け、5回続けて挑戦したのに一度も勝てず。

出口から出たところで「6回目やる?」とニヤリ笑う彼に、帽子を被り直し、「もういい」と頬を膨らませた。

「いじけるなって」と言われたが、勝てないことに機嫌を損ねている訳じゃない。

相手は横山くんなのに、まるで友達と遊園地に来ている気分で楽しくなってしまい、その気持ちを悟られないように笑顔を我慢しているのだ。

本心を隠して「次、行くよ」と、ツンと澄まして歩き出す。

あと乗っていないのは、メリーゴーランドと観覧車だけ。

観覧車は……ふたりきりの空間にきっと怖くなってしまうだろうから、できれば乗りたくない。

そんな気持ちで遊園地のちょうど真ん中にあるメリーゴーランドの前で足を止めたが、メルヘンチックな外観と白馬や馬車を間近で見て、恥ずかしさが急上昇してしまった。

観覧車と別の意味で、これに乗るのは無理かもしれない……。

お姫様コスプレをした幼稚園児くらいの女の子が馬車に乗り、外でカメラを構える両親に向けて可愛らしく手を振っていた。

お姫様を夢見ていいのは、あの子くらいの年齢までだろう。

いい歳した私が、シンデレラに出てくるような馬車に乗るなんて……。

一応順番待ちをしているが、前にも後ろにも、並んでいるのは親子か低年齢の女の子ばかり。

隣に立つ横山くんは一見平然としているが、男性の彼はきっと、いや絶対に、私より恥ずかしいはずだと思おうとする。

< 63 / 265 >

この作品をシェア

pagetop