モテ系同期と偽装恋愛!?

リングの部分は多分アルミ製で、500円もしないチープな物であることが一目で分かるのに、綺麗で可愛くて、すっかり気に入ってしまった。

小さな子供向けなので小指にしか入らない。

そっと左手の小指に通すと、子供の頃に感じた濁りのない純粋な喜びが心に広がり、「嬉しい」と、つい笑顔を彼に向けていた。

その直後に、またしても私のキャラじゃないことをしてしまったとハッとする。

横山くんといると、調子が狂って困る……。

内心うろたえる私の前で、なぜか彼の小麦色の頬が薄っすら赤みを帯びる。

ニヒヒと悪戯っ子のような笑みを浮かべた後、彼は茶化すように言った。

「いつか俺の嫁さんになる日が来たら、本物の指輪を買ってあげるよ」

「そんな日がくるはずないでしょ。本物よりこれがいい」

「あちゃ〜、振られた〜」

大袈裟に肩を落として見せる彼に店のおじさんは笑い声を上げ、私もクスリと笑ってしまった。

話の内容は違うけれど、こうやって冗談を言い合う友達が、かつて私にもいた。

中学で仲の良かったユウ、アヤ、チナツ。
もう友達じゃないと言われる前に、女子4人でこの遊園地に遊びに来たことがあったっけ……。

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